NASAのカッシーニ探査機がいよいよ土星に到着します。7月1日にメインエンジンに点火して遷移軌道に移り、さらに8月23日に再点火して土星の周回軌道に入ります。カッシーニ探査機は、4年の探査期間中に76回の土星周回を行い、1981年以来となる数多くの土星探査を行うことになっています。
画像1は、5月11日に土星に接近中の距離2600万kmから撮影された土星大気の嵐をとらえたものです。南緯30°付近に発生している複数の渦(嵐)がとらえられていますが、これよりも前の3月19-20日に撮影された連続画像からは、2つの渦が合体(マージ)している様子が公開されました。ほぼ同じ緯度の渦が接近すると、2つの渦はお互いの周りを回るようにして1つの渦に合体しています。木星でもSTBやSSTBの白斑どうしの合体で見られる挙動とそっくりです。
画像2は6月11日に撮影された最も外側を回る衛星フェーベです。直径は220kmしかないのですが、大小のクレータが見られ、明るい部分は氷を含んでいる可能性が示唆されています。特に新しいクレータの周囲に見られることで、衝突によって氷を含む層がむき出しになった可能性があるそうです。
参考:http://saturn.jpl.nasa.gov/
|
画像1 数珠つなぎの土星大気の嵐 |
|
画像提供:NASA/JPL
|
|
|
画像2 衛星フェーベの近接画像 |
|
画像提供:NASA/JPL
|
|
|