天文ガイド 惑星サロン2004年10月号 (No.25)安達 誠

観測を妨げる症状

きれいな惑星面を肉眼で見たいと思う気持ちは、誰でもが持つ共通の思いです。しかし、実際にはなかなか思うようにならないものです。気流や望遠鏡ではなく、意外に気付かないのが自分の眼です。近視や遠視は全然問題になりませんが、厄介なものがいくつかあります。まずは「乱視」です。水晶体の歪みだったり角膜の不均一で起こります。水晶体の場合はめがねで補正できるものもありますが、コンタクトレンズでかなり補正できます。眼科で詳しく診てもらいましょう。

次に、生理的飛蚊症(ひぶんしょう)。望遠鏡や顕微鏡を高倍率で使用すると見えるものです(図)。年令と共に増加しますが、疲れている時にも増加します。観測日数が重なり疲れてくると、観測に大きな支障が出るくらい見えてきます。大きな塊は眼をくるくる回すと、しばらくの間、違ったところに移動しますが、すぐに元に戻ってきて再び見えなくしてしまいます。これをさけるには双眼アイピースを使用するのが効果的です。まずは疲れないようにすることが先決かもしれません。

最後に、眼の感色性が個人によって違います。赤に強い人や、青に強い人など個人差があります。これは人の見え方と比べないと見つかりません。自分の眼の特徴をしっかり把握することが惑星観測の第一歩かもしれません。

図 飛蚊症のスケッチ


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