25年前のボイジャー探査機によって発見された、土星のリング上に見られる放射状のスポーク(画像1左)が、土星を周回中のカッシーニ探査機によって再発見されました。ボイジャーによるスポーク発見後は、1996年頃にハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されましたが、その後はカッシーニ探査機でも見つかっていませんでした。2005年9月5日にカッシーニが27分間に撮影した3枚の画像(画像1右)で、B-リング上を移動する小さなスポークが見つかりました。
最近では、スポークの見え方は太陽の高度に依存していて、太陽光が少ないほどスポークが見えやすいと考えられていました。そのために、リングが大きく開いているここ数年間は観測は難しいと思われていた時の発見でした。ただし、カッシーニが見出したのは太陽に照らされていない地球と反対側の画像でした。ボイジャーの有名なスポークの画像は、太陽に照らされている側のリングですが、今回と同様に太陽に照らされていないリングでも見つかっています。太陽高度の高い時でも、リングの太陽に照らされていない側ではスポークが見えやすい条件になったと考えられます。これから土星のリングの傾きは次第に小さくなりますから、高解像度画像で地上からスポークをとらえることができるかもしれません。
カッシーニ・ニュース- http://ciclops.org/view.php?id=1456
画像3 土星のリングのスポーク模様 画像提供/ NASA (拡大) |
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