図7は、木星を観測していると見られる模様や様々な現象をまとめたものです。左半分は通常見られる模様を、右半分は5‐10年に1度という特異的な現象を示します。番号は、独断で私の興味ある順番としました。
@の南赤道縞撹乱は木星面で最も激しい活動で、1本の暗柱の発生から半年ぐらいで、淡化していたSEBが見事に復活します。Aの南熱帯撹乱は暗柱が次第に広がり、大きな循環気流が形成されます。Bのmid-SEB outbreakはSEB中央に突発的に白斑が発生し、SEB内を白斑の連鎖が埋め尽くします。CのNTBs outbreakは輝く白斑が高速に前進し、その通った後に暗斑が生じ、淡化していたNTBが短期間で復活します。Dの南赤道帯撹乱はSEB北縁から白雲がEZsに流入し、明るい巨大な渦を形成する現象です。EのSTrZ dark streakは、SEBsを後退する暗斑群が大赤斑をぐるりと回り、逆に大赤斑の前方に吹き出す現象です。
今シーズンの木星面には、めったに起こらない南熱帯撹乱とNTBs outbreakが発生しており、さらに近いうちに南赤道縞撹乱の発生も予想される激動の年を迎えました。
図7 木星の模様と現象 図中の記号の頭文字:A(高気圧性白斑)、J(ジェット気流)、R(リフト)(拡大) |
|