築40年を超えるコンクリート住宅団地の中で、4階建ての3階部分にあるベランダ
天文台は、地上から約10mの高さがあって、地表の気流からは少し遠ざかってい
るかもしれません。ベランダ手すりもコンクリート構造になっており、この上に
架台のフォーク部を限界まで短くした、惑星専用の口径20cm全自作ドール・カー
カム型の望遠鏡を設置しています。
ベランダからの視界は上階の張り出しに遮られて、天の赤道より北にある星を見
ることができませんが、ベランダの東端に望遠鏡を設置することにより、隣のベ
ランダとの隙間から、赤緯の高い惑星も限られた時間ですが見ることができます。
ただ、天体の南中以後は継続して見ることができないので、観測期間はシーズン
の前半が主体となっています。
現在の撮影システムは、Imaging Source社のDMK21AF04(モノクロ)とDFK21AF04
(カラー)の2台のPCカメラを使ったLRGB法による高解像惑星写真を狙っています。
LRGB法は色の問題とか考慮しないといけないことがありますが、小口径の望遠鏡
で解像限界まで能力を発揮できる良い方法だと考えています。
惑星の高度が低いときに起こる、大気による色分散を補正するためにウエッジプ
リズムが使われるのですが、ウエッジプリズムを2枚使って連続的に補正する装
置を作って常用し、天体高度が80度になっても使っています。
悩みと言えば、エアコンの室外機がベランダ内にあって、夏場は室外機から出る
温風の向きを変えることに四苦八苦しています。
でも、生活空間の中に望遠鏡があって、すぐに使えることはとても重要なことだ
と思っています。
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