天文ガイド 惑星サロン2013年1月号 (No.124)村上達海

同じ空のもとでの木星観測

先月の惑星サロンにレポートした木星の閃光観測のキャンペーン第一弾について は、多くの方に注目していただいたと思いますが、11月上旬には合同観測キャン ペーン第二弾として、東京、川崎、姫路など全国各地で同時観測が行われました。 私は東京三鷹にある国立天文台の口径50cmの望遠鏡を使用しての閃光現象観測に 参加しました。

前回の9月の観測では、安全でかつ学術的に意味のある観測をするため、ひとつ ひとつ夜帳に記入しながら観測を行いましたが、夜の12時を過ぎないと木星が見 えない上に、天候に恵まれず1日10分程度しか撮影できなかった日もあり、結果 としてあまり満足がいく観測はできませんでした。

今回の観測では、ほぼ毎日観測することができ、多くの時間観測することができ ました。観測は、当初第一弾と同様にメタンバンドを使用しましたが、ソフトの 都合やシーイングの安定した像を求めるため、途中でノーフィルターに変更して 観測しました。第一弾から2ヶ月も経っているため夜はとても寒く、ドーム内の 温度が10度を下回る日もあり、暖かいものを食べたり、体を動かしたりしながら 交代でパソコンの画面を見ては怪しいものが現れないかを目を凝らして見ていま した。そのうえ、9月は夏休みで、昼夜逆転生活を送っても日常生活に支障は生 じなかったのですが、今回は平日で大学の授業があるため、会議室で仮眠を取っ てから始バスを使って大学に向かうという日々を過ごしました。

次回のキャンペーンは来年の10月ごろを予定しています。大学同士の合同観測も 今年の12月に計画されており、木星の閃光観測はますます活気づいていくと思わ れます。観測する機会が増えていくことにより、惑星の新たな一面を見ることが できるのではないのでしょうか。是非、夜通し楽しめる木星を同じ空のもとで追 ってみませんか?

[図1] 国立天文台での閃光観測に参加したメンバー

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