37回目となる木星会議が、6月21日と22日の両日、豊中市の大阪大学豊中キャンパスで開
催され、全国各地から50名以上の参加者が集まりました。
緑豊かな大学のキャンパス内の施設が会場で、大学の天文同好会から大勢のメンバーが参
加し、会議の運営にあたってくれました。同好会は全体で200名近い規模とのことで、最
近の若い人たちの天文に対する関心の高さが感じらます。会議に運営はとても円滑で、参
加したメンバーの士気の高さが感じられました。
初日は、大阪大学の佐々木晶教授による講演、「JUICE計画」で始まりました。欧州宇宙
機関(ESA)が主体となる木星オービターによる探査で、日本も機器の開発を担当します。
木星本体だけでなく、ガニメデ、カリスト、エウロパの観測も行うとのことで、実現が楽
しみです。
その後、木星会議恒例となっている木星面のまとめセッションへと続きました。記念撮影
を行った後、大学内の食堂「宙(そら)」で懇親会が開かれ、参加者同士、親睦を深めまし
た。また、有志は阪急石橋駅近くの居酒屋での二次会へと流れ、夜遅くまで木星談義に花
を咲かせました。
二日目は、最初に安達誠氏から大学生向けに木星の基礎講座があり、その後、研究発表
6件が行われました(安達誠氏、鈴木重則氏、石橋力氏、熊森照明氏、永長英夫氏、堀川)。
中でも石橋氏は、1994年にシュメーカーレビー第9彗星(SL9)が木星に衝突した際に撮影し
たデジタルビデオの動画を、現在の技術を駆使して再処理し、良好な画像に仕上げて注目
を集めました。SL9からちょうど20年目となるため、ベテランの観測者から大きな反響が
寄せられました。
最後に、会議の準備と運営に多くの時間を割いていただいた、安達氏と大阪大学天文同好
会の方々に感謝致します。次回は関東地方で開催の予定です。
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[図1] 木星会議の記念写真 |
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