惑星観測を本格的に始めてから9年目に入ります。昨年2月の大雪で自作のスライドルーフ
が故障したのを契機にシステムのグレードアップを図ってきました。自作のスライドルー
フ観測室は、紆余曲折の結果、2.8mのニッシンドームを床高地上3.4mに設置し、撮影など
長時間の操作は、観測室の隣の書斎から行えるようにしました。望遠鏡システムもグレー
ドアップし更新しました。本体の望遠鏡は自作30cmニュートン式からOrion CT14(35cmニ
ュートン式)に、赤道儀はケンコーEQ6から宇治天体精機製のSkyMaxに変更しました。
SkyMaxはNS企画製NS-5000PKP264A2で制御しています。
惑星撮影システムは、シーイングが悪い時は、写真に写っているVIXEN製フリップミラー
を中心としたシステムを使用します。Powermate5X、大気差補正プリズム、フリップミラ
ー、QHY5L-II(カラー)とChameleon CMLN-13S2M-CS(モノクロ)を取り付けており、フリッ
プミラーで切り換えて撮影します。通常L-Color-Lと3ショット撮影します。シーイングが
良い時は、フリップミラーの後端にStarlightExpress社製電動フィルターホイールを介し
て、Chameleon CMLN-13S2M-CSのみでLRGBLと5ショット撮影します。各画像ともに
AutoStakkert2で最適化とスタックを行い、RegiStax6でウェイブレット処理後にWinJUPOS
でLLのDe-rotation合成を行い、結果のL画像とRGB各画像とでLRGB De-rotation合成を行
います。その後、ステライメージ7およびフォトショップで画像処理をします。シーイン
グが悪い時の画像は、AutoStakkert2で最適化とスタックを行い、WinJUPOSでのLLの
De-rotation合成画像Lとカラー画像をステライメージ7でLRGB合成を行います。
ステライメージ7の最大エントロピー法による画像復元処理は上記処理と組み合わせて必
要な場合に使用しています。
惑星の撮影で最も大切なことは、撮影前の光軸の確認と、撮影時のピントの入念な確認で
あると考えています。シーイングが悪くなるほどピント位置はわかりにくく苦労してしま
います。
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[図1] 更新後の観測システム |
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