天文ガイド 惑星サロン
2020年8月号 (No.215)
水元伸二

木星観測者列伝:村山 定男

村山定男(むらやま さだお 1924〜2013)、元国立科学博物館・理化学研究部長。 専門は隕石ですが、惑星観測者(特に火星)としても世界的に名を知られ、その業績は高く評価されています。 天文普及についても尽力し、講演会・TV出演・著書などが多数あります。

木星観測では1940年代に継続観測し、1946〜47年の南熱帯攪乱、1949年の南赤道縞攪乱の観測記録や1910年代に起こった南北赤道縞の活動の逆転に関する研究があります。 そのスケッチは精緻で自然で美しく、10分ほどのぞき続けた後に5分程度で一気に仕上げ、最後に確認のためにもう一度のぞくという名人芸的なもので、ぼかし用の擦筆は使わず指先でさっとなでる程度でした。 東亜天文学会木土星課長、東亜天文学会会長、天文博物館五島プラネタリウム館長などを歴任、小惑星3220に"Murayama"の名が付けられています。

[図1] 村山定男氏
国立科学博物館で行われた木星会議で(1975年)。
[図2] 村山定男氏の木星スケッチ
左) 左上に南熱帯攪乱が描かれている。右) SEBに南赤道縞攪乱の暗柱群が見られる。

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