木星面現象の周期性を考えるシリーズ、最終回は総まとめをしてみます。
取り上げた6つの現象を見ると、表のように周期性のあるものないもの様々です。 大雑把に見ると、発生間隔は3年か5年の倍数というパターンが多いようです。 準循環気流を除くと、同じ規模の現象が再発するにはある程度の時間が必要なようです。 SEB攪乱は前回から3年以内に発生すると活動が弱い傾向があり、木星大気がエネルギーを蓄えるのに最低3年かかると見ることができそうです。
また、現在の周期パターンも永遠に続くわけではありません。 例えばNTBs jetstream outbreakの発生間隔は、およそ10年→5年→17年の中断→現在の4〜5年間隔と、何度も変化してきましたし、SEB攪乱は1940年代から1960年代前半の間はおよそ3年おきに発生していました。 発生パターンは数十年ごとに変化するようです。
さて、2007年と2010年に発生したSEB攪乱は、現在の3年+15年のパターンで行くと、次は2025年です。 前年となる今年は攪乱に先立ってSEBが大規模に淡化すると予想されますが、果たしてどうなるでしょうか。
[表1] 現象の発生周期 |
[図1] SEB攪乱発生直前の木星 |
今年はこのような木星面が見られるでしょうか? |
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