天文ガイド 惑星サロン
2024年8月号 (No.263)
鈴木邦彦

木星観測シーズンをふり返る

5月の合を挟んで木星の観測シーズンが始まりました。 これを機に昨シーズン(2023-24)の私自身の生活をふり返ってみました。 月惑星研究会への報告日数は166日、画像431枚でした。 これらの撮影日と撮影時刻の推移をグラフにしたのが図1です。

初観測(図の@)は合から2か月余り後の昨年6月16日で、ようやく早朝に木星が隣家の屋根から出てくるタイミングです。 2か月後の8月(A)になると、木星は早くも夜明け前に南中です。 この頃は午前2時頃に起床して朝までの観測です。 このような「朝方」の観測は衝の直前の10月末(B)まで続きます。 午前1〜2時に起き出し、すでに南中過ぎの木星を朝まで撮像するので、午後8時前に就寝、仕事から帰ってすぐに寝る生活ですが、この時期、この時間帯は他の観測者が少ないという利点があります。

そして衝を迎える11月上旬(C)になると、観測時間帯は「夜半後」から「夜半前」に劇的にシフトします。 その後(D)は普通?の生活となり、宵の口の南中前後の木星を夜半まで撮像する期間になります。 そして木星はどんどん西に傾き、夕方の観測時間帯(E)になると、仕事をなるべく切り上げて低空の木星を見届け、4月26日に観測シーズン終了となりました。

ふり返ると木星中心の生活でした。 変化が激しい木星面からは目が離せませんが、あくまで日常生活を維持できる範囲内でやっていこうと思っています。

[図1] 撮像日と撮像時刻の推移
縦軸に日付、横軸に撮像時刻をプロットしました。斜めの線は木星の南中時刻です。衝を境に観測時刻がガラリと変わっています。

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