4月上旬(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/G7.html-
大赤斑の前方のSEBsに湾入している白斑が捉えられている。
- April 01/ 04/ 10/ 11/ 13 の画像に注目。
4月(HST画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0520.html-
紫外域での画像に大赤斑の直前に迫った白斑の詳細構造が写っている。1996年10月の同じ波長の画像よりも暗くなっている。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/interact.gifで公開されています。
4月28日(浅田氏CCD画像) 木星観測報告 No.4-
大赤斑の直前に迫ったSTrZの白斑がSEBsに湾入している姿を捉えている。
5月上旬(HST画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0606.html-
大赤斑直前の白斑が撮影されていて、白斑の渦は大赤斑の大きさの半分程度もあることがわかる。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/higrs.jpgで公開されています。
5月上旬(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/G8.html-
大赤斑の前方にせまった白斑が捉えられている。
- May 01/ 04/ 10 の画像に注目。
5月 5日(伊賀スケッチ、堀川氏スケッチ) 木星観測報告No.5 No.10-
STrZの白斑は大赤斑の直前にいて、SEBsの肩が凹んでいる。会合はまだ始まっていない。
5月10日(浅田氏CCD画像、伊賀スケッチ、繭山氏スケッチ) 木星観測報告 No.5 No.6 No.10-
浅田氏の画像と繭山氏のスケッチではSEBsの肩が明確に凹んでいて、大赤斑との会合はまだである。伊賀の観測ではRS Bayの左に白斑が描かれているが、これは誤りであろう。
5月12日(宮崎氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0527.html-
白斑は大赤斑と接触しているように見え、いよいよ衝突の始まりを思わせる。まだSEBsの肩は凹んでいる。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/5122015.jpgで公開されています。
5月15日(Parker氏CCD画像)IJW Newletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0519.html-
白斑はSEBsの肩にいて、SEBsの肩は凹んでいる。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/ijw/May-15.jpgで公開されています。
5月15日(堀川氏スケッチ) 木星観測報告 No.10-
白斑は大赤斑前端部にいて、RS Bayに軽微な凹みがあるだけで明るさはない。
5月17日(浅田氏CCD画像、安達氏スケッチ、伊賀スケッチ) 木星観測報告 No.7-
浅田氏、安達氏の観測では白斑はまだ大赤斑の直前に位置している。SEBsはわずかに凹んでいる。伊賀は大赤斑の左下が明るく、ここにいるのではないかと報告。
5月20日(宮崎氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0527.html-
大赤斑の左下が明るく、白斑がRS Bay内に侵入し、北にう回している様子が捉えられている。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/5201818.jpgで公開されています。
5月22日(Parker氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0528.html-
白斑は明確に捉えられていないが、大赤斑の北側が明るい。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/May-22.jpgで公開されています。
5月22日(浅田氏CCD画像、伊賀スケッチ) 木星観測報告 No.8-
浅田氏の画像には白斑は明確に捉えられていない。大赤斑の北側が明るく、ここに白斑が存在している様子だ。伊賀の観測では、大赤斑の南側の明部が17日よりもさらに後方まで伸びていると報告。
5月24日(宮崎氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0527.html-
大赤斑の北のSEBs Bayが凹んでいて、白斑は大赤斑を北にう回して進んでいる様子が捉えられている。また、大赤斑の直前のSEBsと大赤斑直後のSEBsの両方に、白斑らしきものが存在している。白斑の本体はRS Bayの大赤斑の北に位置しているが、この渦が分かれたものが涙型に気流に引き伸ばされているように思われる。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/5242025c.jpgで公開されています。
5月27日(安達スケッチ、伊賀スケッチ、堀川氏報告、繭山氏スケッチ) 木星観測報告 No.11-
大赤斑の左下が明るく、涙型に引っ張られた白斑のように思われる。大赤斑の前後の白斑は認められない。
5月29日(宮崎氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0606.html-
大赤斑の北半分が全体として明るく、白斑はこの中に埋もれている様子である。24日に認められた大赤斑の前後の白斑は見えない。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/5291956.jpgで公開されています。
6月 2日(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/C9.html-
大赤斑の直後のSTrZに明確な白斑が見える。白斑は無事に大赤斑を通過したようだ。大赤斑の北側も明るく見える。
- 画像はhttp://megasn.obspm.fr/galileo/01jun97/ju01697d.gifで公開されています。
6月 3日(Parker氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0606.html-
2日のPic du Midiの画像と同様に、大赤斑直後のSTrZに白斑が見える。大赤斑の北や前方には白斑は認められない。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/Jun-03.jpgで公開されています。
6月 5日(Murrell氏CCD画像) IJW Newsletter http://atmos.nmsu.edu/ijw/0606.html-
大赤斑直後のSTrZに白斑が認められる。また大赤斑の北にも白斑らしきものが写っている。
- 画像はhttp://atmos.nmsu.edu/IJW/images/Jupiter/mhlhl386.gifで公開されています。
6月 6日(伊賀スケッチ、繭山氏スケッチ) 木星観測報告 No.13-
2人とも大赤斑の北側は明るいが白斑は認めていない。伊賀の観測では大赤斑直後のSTrZにも白斑はいないが、STrZが明るく見えている。
6月 9日(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/C9.html-
赤斑直後のSTrZの白斑はどこにいるのか不明。大赤斑直後のSTrZからSTBを超えてSTZにかけて淡い白雲が見えるが、詳細は分からない。
- 画像はhttp://megasn.obspm.fr/galileo/08jun97/ju08697a.gifで公開されています。
6月11日(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/C9.html-
大赤斑直前のSTrZに淡い白斑が見えるが、注目している白斑かどうかは不明。大赤斑の南を取り巻くアーチがI-Bnadで顕著。
- 画像はhttp://megasn.obspm.fr/galileo/10jun97/ju10697a.gifで公開されています。
6月12日(Pic du Midi) http://megasn.obspm.fr/galileo/C9.html-
大赤斑直前のSTrZが明るいが、白斑かどうかは不明。大赤斑の左上がいびつに膨らんでいて、白斑かもしれない。大赤斑後方には白斑は写っていない。
- 画像はhttp://megasn.obspm.fr/galileo/11jun97/ju11697a.gifで公開されています。
6月13日(浅田氏・奥田氏CCD画像、安達氏・伊賀・繭山氏スケッチ、堀川氏報告) 木星観測報告 No.17-
大赤斑付近はノーマルな状態に見える。大赤斑の前後にも、北側にも白斑らしきものは認められない。
6月18/23日(伊賀スケッチ) 木星観測報告 No.19-
大赤斑付近には白斑らしいものは見当たらない。
STrの白斑は5月22日まで大赤斑直前のSEBsに位置し、大赤斑との衝突はこの頃に起こったものと思われます。
白斑は大赤斑の北側をRS Bayに沿って進み、5月29日には大赤斑の真北に位置しました。この時、大赤斑直前と直後のSTrZにも白斑が認められており、白斑の渦が大赤斑の回りの強力な渦に取り込まれて伸び切った様子が見られます。
6月2日には白斑は大赤斑直後のSTrZに再び白斑として姿を現しました。この状態は6月5日まで続いたようですが、6月6日以降は行方が分からなくなってしまいました。
Pic du Midiの画像では6月9日から12日にかけて、白斑が大赤斑の南側をさらにぐるりと回っているかのように見えますが、6月13日の日本での観測では白斑はどこにも認められませんでした。
大赤斑の強力な渦は、相当後方のSTrZにまで影響する可能性もあり、白斑は無事に大赤斑をすり抜けたのか、再び大赤斑に取り込まれたのかは分かりません。今後の観測で明らかになることを期待したいと思います。
公開されている画像からこの白斑と大赤斑との衝突現象を1枚にまとめてみました。-
(浅田氏の画像は強い画像処理を施していて原画像とは異なります)
拡大画像はこちら(JPEG 112KB)
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